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2015.08.08 (Sat)

【注目!アニメレビュー】時をかける少女【vol.1】

「ずっと三人でいられる気がしてたんだよねー。
 遅刻して功介に怒られて、球とれなくて千昭にナメられて……」

「…………真琴」

「ん?」
tkkke.jpg
「俺と、付き合えば?」

【注意事項】 
(1)ネタバレありです。同監督の他作品にも言及する場合があります。
(2)登場人物データは琳珂の主観で分類・掲載します。
(3)評価は琳珂の独断と偏見と読書歴に基づいて、思うがままに書きます。
 コメントを下さった場合は一応反応しますが、議論をするつもりはございません。
 予めご了承ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ラノベレビューが安定してきたので、アニメもレビューしてみますっ。
第一弾は私が最も愛する作品です・w・

それにしても貞本先生は凄いなぁ……。
どうやったらあんなに生き生きした真琴が描けるのか。。
この構図を描くのに苦戦したので、私が一番好きなシーン(赤い傘をさして三人で並んで歩いてる後ろ姿)を描こうかとも思ったんですけど、やっぱりDVDパッケージを描くべきだろうと頑張りました。。
下手ですがお目こぼしください><

それでは追記から【時をかける少女】のレビューを始めます。

【More・・・】


作品データ   ―待ってられない未来がある。

 【監督】細田守  【脚本】奥寺佐渡子 【配給】角川映画  【公開】2006年夏
 【主題歌】『ガーネット』/奥 華子  【キャラクターデザイン】貞本義行 

登場人物
 【主役】紺野真琴、間宮千昭、津田功介、芳山和子
 【準主役】早川友梨、藤谷果穂、紺野美雪、高瀬宗次朗  他

評価   総合:★★★★★ ……語り継ぐべき青春映画の金字塔。 

 【物語】★★★★★ (和み:★★★★★  泣き:★★★★★  恋:★★★★★)
 【映像】★★★☆☆ 【声優】★★★☆☆ 【演出】★★★★☆ 
 【音楽】★★★★★ 【キャラクターデザイン】★★★★☆


レビュー
今作にハマってから筒井先生の原作『時をかける少女』を読みました。
そして首を傾げてしまいました。
「……一体、この本のどこをどうすればあんな最高の映画が作れるのだろう……」と。
全然別物です。お話の内容も雰囲気も何もかも。
私にとって筒井先生の『時をかける少女』は少し退屈でした。
でもこのタイトルと『タイムリープ』というキーワードがあって、ここでの芳山さんがいてこそ細田監督の『時をかける少女』があるわけだから、相応の敬意は払っております!
ただ、もし「『時をかける少女』ってアニメ映画は面白いらしいねー。お、原作の小説があるのか。そっちから読んでみようかな」と思っている方がおられたら、全然別物なのでやめた方がよいです!!(大事なことなのでry

さてさて。
今作は、普通の女子高生・紺野真琴が『タイムリープ』という特殊な力を得るところからお話が始まります。
この力が曲者。
作中の描写が安定していないので、何回、何十回観返しても疑問しか湧いてきません。笑
①現在→タイムリープ→現在へ戻る
②現在→タイムリープ→そのまま別の未来へ進む
大きく分けて二通りのタイムリープがあるみたいなんですよね。
使用者の意志で使い分けができるってことなのかなぁ。それならそれで「もっと他にやりようがあったんじゃ?」ってシーンが多々あります。
うん、深く考えれば考えるほど深みにはまります。笑

だから「小説・ドラマなどを理論的に分析しながら鑑賞することが好きで、納得いかないとイライラする方」や「本格派時間移動SF作品が好きな方」に今作をオススメすることはできません!

今作の主題はあくまで『紺野真琴の成長』なのです。
タイムリープは、彼女の成長を促す様々な事件の引き金になっただけなのです。
真琴と彼女をとりまく人々との人間ドラマを見るべき作品なのです。
よって今作は「細かい設定は気にならない。素敵なキャラたちの躍動する青春作品が見たい!」という方や、「舞台設定とかは雰囲気が良ければそれでいい。素敵な恋愛作品が見たい!」というような方にお勧めです。
特に今作の大きな魅力は「真琴のバカさ加減」にありますからね・w・
観る側も、真琴と同じくらいバカになって観るべきです。


さて。
物語の何がいいって、そりゃもう真琴・千昭・功介・友梨の関係性ですよ。
クラスメイト+αの美味しい三角関係。
転校生のやんちゃな少年が段々心を開いてくるという王道パターンに、幼馴染の真面目な優等生という王道パターンを重ねてきているわけです。
三人のじゃれあいは超絶和みます。
千昭の告白に照れて不自然な態度をとってしまう真琴も可愛い。
親友の友梨がずっと千昭を好きでいたことに気づかない真琴も可愛い。

ここだけ見たら本当に普遍的な少女漫画。
でも、これをつつく魔女おばさんこと芳山さんが良い味を出しているのです。
真琴がタイムリープで未来を変えるたび、
「あなたは千昭くんが好きなんだと思ってた」
「あなたは功介くんが好きなんだと思ってた」
……と、台詞をかえていく彼女。「付き合ってみればいいのに~」と気楽に勧めてくるところには、大人の女性の余裕と無遠慮さを感じます。
でも、クライマックスで一回り成長した真琴に対しては本音を語ってくれるんですよね。
「本当は、あなたは千昭くんとも功介くんとも付き合わないんだろうと思ってた。
 いつか大人になって全然別の誰かと付き合うんだろうなって」
そこからの彼女の恋愛体験談(この詳細こそが筒井先生の小説です)も泣けます。
やーばいです。。。
「でも真琴、あなたは私みたいなタイプじゃないでしょ?」と微笑んでくれるのもいい。
こんな風に自分を見守ってくれる存在って憧れますよね。
父でも母でもない、少し遠い身近な大人。
今作の核にいるのは、やはり魔女おばさんだと思います。

名言にもとりあげた千昭の告白シーンは、前半の見どころですね。
「俺、顔もそんなに悪くないだろ?」とか「俺とつきあわねー!!?(絶叫)」とか。
潔くってカッコいい!
何故これで素直にOKと言えないんだ真琴よ。。。。
まぁ、こういうバカなとこが彼女の良さですね。
タイムリープさえなければ、なんだかんだで千昭がゴリ押して功介もサポートして、結局二人は上手く行ってたんじゃないかなぁ。
勿体ない話です。
……ってもなぁ。
物語のラスト、グラウンドまで走っていくのはいいとして、そのあとバカ正直に千昭と話さなくても良かったのにって思うのは私だけでしょうか。笑
「自分のタイムリープで千昭を救えたのか?」と気になるのは分かるけど、それを探るだけなら他にも方法はあったでしょう。
何も伝えずにいれば、数日後には(多少シチュエーションが違うとしても)果穂が功介へ告白するはずで、千昭は再び真琴へ告白してくれるはずなんですよ。
そこで「うん!私も千昭が大好きよ!」とか応えて、らぶらぶになればいいじゃん。
短いあいだでも、デートしまくってエンジョイすればいいのよ。
一緒に美術館へ行ってあの絵を見たあと、夏が終わる直前になってから「実はね」って打ち明け話すればいいじゃん。
どうせ千昭は絵を見てから帰るつもりなんだから、それまでは一緒にいられるように細工してもバチあたんないでしょ。
彼もきっと怒んないよ。
こういう努力を怠っているにも関わらず、自らがバカ正直に全てを伝えたせいで千昭ともう二度と逢えない羽目になって、別れ際にも告白してもらえず「なんでだろう……」って泣くとか。
もうほんっと、真琴って、バカ!!(

……でもこういうバカなとこがいいのです。
青春なのです…… ・w・

どっちかと言うまでもなく、私は魔女おばさんタイプなのでね。
「うん、すぐいく。走っていく!」と言えちゃう真琴に憧れもします。
爽やかに頭を撫でて去る千昭も好きです。
……やっぱり、キスくらいはしてもよかったんじゃないかとは思うけどね(


えっと。
ここまで思いっきり恋愛映画みたいなレビューの書き方をしておりますが、時かけはそれだけではありません。
今作で真琴が体験するのは「時間の流れと人の心」の難しさなのです。
いわゆる果穂ちゃんのエピソードと高瀬くんのエピソードですね。
高瀬くんの方は重めなテーマです。
大人(ってかこういうのに配慮できようになった人間を大人と呼ぶよね)や賢い子どもならタイムリープを使う前に思い至ることですが、バカな真琴は魔女おばさんに指摘されるまで何も気づかなかったんです。
「真琴が良い目見てる分、悪い目を見てる人がいるんじゃないの?」
そうなのです。
人間社会は相互関係で成り立っているのですから、目の前の嫌なことを避けたら、それはきっと他の誰かに当たるのです。
めぐりめぐってかたちを変えて、再び自分のところに帰ってきたりもします。
皆のいる全ての空は晴れ渡らないのです。
このような倫理感を問うテーマを、若年層が多く観るであろう青春恋愛映画に盛り込むのは、素晴らしいことだと思います。
そして、魔女おばさんの存在感も含めて、年配の方々が見ても「いいなぁ」と思える作品になっている理由ではないでしょうか。


映像は普通に良い感じです。
ただサマーウォーズ以降の細田監督の作品に比べると、人物の作画や背景などで差がありますね。
やっぱり予算の問題かな。
だけど映像ばかり綺麗で中身のないアニメは沢山ありますからね。
一方、平成元年制作の『魔女の宅急便』だって、今見て感動できるわけです。
ある一定ラインを越えてさえいれば、映像の評価は映画の評価に直結しないと思います。

声優さんは微妙ですね。もちろん全員嫌いじゃないけど……。
真琴はキャラに合っていたから許せるものの、棒読みであることは否めません。
千昭の声は低くてカッコ良いけど滑舌が悪く、聞きとりづらいセリフがあります。
ちゃんとした実力のある声優さんがこの二人を演じていれば、今以上に感動できる映画だったかも。惜しい!

演出は、映像の不安定なとこを見事にカバーしていましたね。
ただ個人的に真琴がタイムリープを身体にチャージした時の映像が意味不明(いや、繋がれているシーンそれぞれは意味がわかるんだけど、あの映像を長々と流す必然性が謎)だったので、★4にしときました><

キャラクターデザインは安定の貞本先生!
そもそも今作の金曜ロードショーのCMを見たとき、先生の絵だと気づいたことも視聴のきっかけの一つでした。
全キャラの魅力が出てて素敵です。
やっぱりこの部分は時かけとサマーウォーズが最高ですね。


最後に音楽について語りましょう。
……いや、既にこのブログでは何度も語っておりますね。笑
私は今作で奥華子さんの大ファンになりました!
この切なげなピアノの音色、泣かずにはおれない。。。
何より彼女の良いところは「言葉がよく聴こえる」ことです。
歌手にも色々なタイプがあり、声質や発声方法によっては歌詞が聞きとりづらいです。
しかし私にとって歌とは言葉です。
言葉を音に乗せたものです。
だから、歌詞が伝わってこない歌にはあまり興味がありません。
多少下手でも、音楽性に富んでなくても「初めて聞いたときに歌詞がスッと入ってくる」歌が好きです。

脱線してしまった!
とにかく華子さんの主題歌は今作にハマりすぎでヤバイです。
良い映画を観て良い歌手を知る。なんて幸せな循環でしょうか。
そして、私が劇中で最も好きなのが挿入歌の『変わらないもの』が流れるシーンです。
真琴がタイムリープをしながら、千昭と功介との思い出を振り返るところですね。
何回見ても何十回観ても泣けます><

華子さん以外のBGM音楽も好きですよ。
ちゃんとサントラ買って毎日のように聞いてます(
日常のテーマ(たったらった、たったた~りら)とか学校風景のテーマ(たーん、たーたーたーん)が特に好きです。
時々、テレビでこれらが使われているのに気づくと「にやぁ」ってなります。笑


あああ、こんなスペースでは語り尽くせない。。。。
とにかく私は時かけが大好きです!うおお!!

はじめて現役の高校生として金曜ロードショーで観たときは、
「ああ、大人になったとき後悔しないように今を生きよう」と思いました。
現役なんて遥か昔になってしまった現在は、
「ああ、あの頃はこんな感じだったなぁ」と懐かしんでいます。
意味は違っても心は同じ。
時が流れても、形が変わっても、けして変わらないものがある。
この映画は、私にそれを教え続けてくれる貴重な存在です。

長くなりましたが、以上で【時をかける少女】のレビューを終わります!!
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