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2015.06.26 (Fri)

【全力!ラノベレビュー】サイハテの救世主Ⅰ:破壊者【其の弐】

陸は言った。
――普通に生きたいなら、そうすればいいさ。
天才に戻るのと同じくらい、それは難しいことなのだろう。

同じように困難なら――

siht1.jpg

ここで、普通に生きてみてもいいかもしれない、


【注意事項】 
(1)ネタバレありです。
(2)登場人物データは琳珂の主観で分類・掲載します。
(3)評価は琳珂の独断と偏見と読書歴に基づいて、思うがままに書きます。
 コメントを下さった場合は一応反応しますが、議論をするつもりはございません。
 予めご了承ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相変わらず2巻の途中で読むのやめちゃってるんですが、
現時点での感想をまとめるのも悪くないかなーと思って筆を執りました!

イラストは表紙を模写りましたが、後述の理由により数か所変更しました。

それでは追記から【サイハテの救世主 Ⅰ:破壊者】のレビューを始めます。

【More・・・】

書籍データ   ―目指すのは、いまだかつてない面白さ!

 【著】岩井恭平    【イラスト】Bou
 【出版社】角川書店  【初版発行日】2012年4月1日  【ページ数】343p

登場人物
 【主役】沙藤葉(ドク)、濱門陸
 【準主役】バウスフィールド照瑠、夏生、ノーラ・ダーリン
 【脇役】佳織、ゴーヤー爺、オバァ、春正、ジャックマン、海姉、オッカァ

評価   総合:★★☆☆☆ ……残念ながら、私好みではないなぁ。 

 【ストーリー】★★★☆☆  【戦闘描写】★★★☆☆  【人物描写】★★★☆☆
 【泣ける度】 ★☆☆☆☆  【和む度】 ★★★☆☆  【恋してる度】★☆☆☆☆
 【イラスト】 ★★☆☆☆

レビュー

総評でさっくり書きましたが、今作は私の好みではないようです。

そもそも私が好きなのは『綺麗なもの』と『可愛いもの』です。
世の中、汚いものと醜いものが多くて疲れますよね。
だから、たまに世の中でそれらを見つけたら大事にするし、物語などの創作物には、それらが沢山溢れていることを求めています。
具体的にいえば『夢』や『恋愛』などですね。
少女漫画生まれ少女漫画育ちの私は、
『可愛い女の子(人)とカッコいい男の子(人)が、それぞれの人生と戦いつつ素敵な恋愛をしているのを見る(応援する)』
ことが何よりも好きです。
前編通して恋愛ばっかの小説より、バトル漫画や推理小説などに恋愛要素が挟まれているとより良いですね。
恋愛要素に優れた作品であれば、その他の要素が多少残念でも受け入れられます。
しかし一方で、恋愛要素のほとんどない作品も嫌いではありません。
それは『登場人物に強い夢があり、人物的魅力があり、応援したいと思える』場合です。
たとえば少年漫画で「海賊王に俺はなる!」とか「オレはハンターになって親父に会う!」とか、そういうのも大好きなんです。

翻って今作には目立った恋愛要素はありません。
そして主人公のドクは、私にとってあまり魅力がありません。
結局彼はどうしたいのかが伝わらなかった。
天才に戻りたいのか?
全部忘れて普通に生きたいのか?
おそらく後者なのでしょう。
ただ立場的にそれは許されないから、できるだけ沖縄生活を楽しみつつ、天才としても活動せざるをえない的な。
……ちゅーとはんぱー。
うーん。中途半端な主人公自体は嫌いじゃないんですけどね。
碇シンジくんとか、むしろ好きだし。
でもなあ。中途半端感も中途半端なんだよなあ。
シンジは不幸な過去を背負った普通の少年として「誰も僕を愛してくれないし、頑張っても上手くいかないし、愚痴や文句はいっぱいあるけど、それでも僕は、できれば真摯に人生と向き合いたいんだ」という様子が丁寧に長々と描かれているから、あの世界観も相まってそれがひどく興味深くて、病んだり克服したりを繰り返すその姿に「がんばって!」と思えるんですよね。
ドクは『全く共感できない奇人・変人』→『天才?』→『ただの病人?』というか。
舞台設定も『ただの現代(沖縄)』だし。。
「ドクを魅力的に見せよう」という工夫が、私にはあまり感じられませんでした。

いや、いいんですよ。
ドクというキャラクターは確立されていて矛盾なく、悪くないんですよ。
でも、こういう主人公にするなら、もっと違う描き方をしてほしかったなぁ。
私の好みとしては。。

……ってなわけで、わりと辛辣なレビューになると思います。
ご了承ください!
(こうなるのが分かってたから今作の感想を書くのをずっとためらってました^^;)


さてさて。
まずストーリーは、前半が沖縄の少女たちとマレビト(ドク)の日常、後半は突然世界危機レベルの戦闘wです。
前半は良いですね。和んで癒されます。
岩井先生の沖縄愛も伝わってくるし、ムシウタや消閑にはない雰囲気と目新しさがあり、たいへん面白いです。
しかし後半になると『消閑の焼き直し』感が強烈になります。
そのあたりの展開も唐突で、雑さが否めません。
私がドクに感情移入しきれなかったせいもあるかな?
段々と病的な描写が強まってきたので少し身構えはしたものの、いきなり話が大きく広がったので「あらあら?」「へー、そうだったんだー」「ほー。ふーん」「あらまーたいへんだねー」と言っている内に全てが終わった印象です。
泣いたり手が止まったりもなく、一時間くらいでサクッと読めました。

戦闘は流石に安定しています。
しかし、主人公が天才という設定もあり、消閑とほぼ同じ描写に終始していました。
消閑の方が色んな能力を使い分けたり、実在の武術を使用したりで面白かったぶん、劣化感がありましたね。
この点では、ムシウタと東京侵域の方がまだ書き分けられていてよかったと思います。

人物描写はドク、ノーラが濃くて、他は薄かったですね。
陸や照瑠や夏生やゴーヤ爺などの沖縄メンツはとても面白そうだったんですけど、「あっそう、なるほろねー」レベルで通り過ぎていったのが残念です。
先生が力を入れておられたドクとノーラの二人が、私的にあまり面白くないキャラだったので(特にノーラは嫌いな部類)、楽しめなかったのかもしれませんね。

イラストは東京侵域と同じく、普通に可愛くて好きですが、個性はないなーという印象。
琳珂的には、叶方ちゃんよりもこっちのが描いてて楽しかったです・w・

……ただ。
ただ一つだけ、どうしても看過できない問題があります。
それは「ドクのデザイン、おかしいでしょ!!」ってことです。

私は今作を読み始める前、表紙を見て「青髪の女子がヒロインで、白髪の男子がヒーローか。ヒロインは女子高生で、ヒーローは大学生かな? いや……背が低いから、老け顔の高校生くらいか」と思っていました。
だから作中での描写に戸惑いました。
『華奢で小柄』『目つきが悪い』『女子と見間違うほど中性的』『15歳』。
……。
…………表紙や挿絵と全然違うやんけ!!!!

これ、私の感覚がおかしいですかね??
まあイラストの感じ方なんて個人差がありますよね。
しかしドクのデザインは、どっからどーしても女子には見えない、明らかに男子の顔と身体つきだと思います。

初めてムシウタ10巻の表紙でカノンを見たときは、何の疑問もなく「今作はダブルヒロインなのね」と納得しました。
ムシウタの表紙=女子って先入観もあったけど、あの絵はどっから見ても女子だった。
だからこそ作中でのドッキリに引っかかったわけで。
やるならあのくらいやらないと。

個人的な好みを言えば「女の子っぽい男の子」は嫌いです。
その存在に明確な意味がある(その子の過去や未来に関わる設定がある)なら別ですが、基本的には女の子は女の子らしくあるべきだし、男の子は男の子らしくあるべきだと思っています。

しかし私の好みはおいといて、作中でのドクの描写とデザインに整合性がとれてないのはどうなの?
【考えられる理由①】絵師さんや編集さんが特に何も考えてない
【理由②】元々ドクは普通の男子だったが、イラストの差し替えができないほど直前で女子っぽい男子になった。
どっちかといえば後者の方がありそうですねー……。
うーん。
これが深い意味のある変更なら、後日納得できるのかもしれないけど。。
現状の私は「文章とイラストが食い違ってちゃ、ラノベとは言えないよねぇ……」と呆れかえっております。

よって↑のイラストでは、ドクの顔をできるだけ子どもっぽく&女っぽくしました。
もっと髪を伸ばした方が中性的になりそうなので、少しずつ調整して『琳珂なりに納得できるドク』のイラストを描けるようにしたいです。

以上で【サイハテの救世主 Ⅰ:破壊者】のレビューを終わります。
ありがとうございました。


さてさて。
こっからは『琳珂の考えた最高のサイハテの救世主(妄想)』を繰り広げてみますよ!
30分くらいで書いてるんでツッコミどころ多いと思います。笑

【コンセプト】
ドクと陸のキャラと関係性から、青い鳥文庫の名作『夢水清志郎事件ノート』シリーズを参考にします。
もちろんドクが清志郎で、陸が亜衣ちゃんです。
夏生が真衣で照瑠が美衣、オッカァやオバァやゴーヤ爺が羽衣のポジションで。
(夏生は、昔から陸のことが大好きという設定)。
目指すは『日常に起きるちょっとした事件を、自称・天才が無駄に壮大に華麗に解決しちゃうギャグラヴコメ&沖縄ほのぼの人情物語(実は彼は本当に天才だったんだよーっていうドッキリ含む)』。
主人公は陸にして、ほぼ全編通じて彼女目線にします。
(ドク目線になるのは2巻から少しずつ伏線を張る時、そしてクライマックスだけ)

【第一巻】
プロローグは原作と同じ。ただし時期を春にする(第二巻以降の展開のため)。
「高校生に上がる春休み、近所に誰かが越してきた!自称・天才らしいけど、ただの変人にしか見えない……。でも面白いし、放っといたらまともに生活しなさそうだし、面倒みてあげよう。これから何が起こるかな、ワクワク!」と盛り上がる陸。それに乗る照瑠。
だが夏生だけは「恋のライバル登場か?」とドクに敵対心を抱く。

1*1~3*2も、ほぼ原作と同じ(佳織だけはまだ登場させない)。
ただし全てを陸目線にして、ドクのバックボーンが分かるような描写は一切無し。
彼は家に引きこもり、ぶつぶつ呟きながら謎の論文を延々と書き続ける怪しげな少年としてのみ描かれる。
そのぶん学生の春休みらしい描写を増やす。
引きこもっているドクのところに皆で押しかけて遊んだり、夏生や照瑠の宿題を教えてもらったり。
(夏生は恋のライバルかもしれないドクへ地味な嫌がらせをするが、ドクも陸もそれに全く気付かない、というギャグシーンを挟んだりする)。
さりげなく、世界各地でテロが起きはじめるという伏線も張る。
そんな日常のなかで陸は「たしかにドクは頭が良いんだなー。でも、世界を何度も救った英雄だなんて、ありえないよねぇ」という感想を持つ。

3*4から、オリジナル展開へ。
ドクにひどいことを言われた照瑠が家出してしまい、夜になっても帰ってこない。
みんな必死で捜索するが見つからない。
そうこうしていたら誘拐犯から電話が?!
パニックになる一同だが、ドクだけは冷静に真実を見抜いていた。
(ここは少し捻ってハチャメチャで面白い事件にしよう)
わちゃわちゃ色々起こるものの、ドクの天才的な閃き、そして陸の行動力・足の速さによって事件は解決。
めでたし、めでたし。

エピローグにて「いやー陸のおかげで助かったよ!ありがとう!」と照瑠の父が礼を言う(ドクは指示を出していただけで、実際に行動したのは陸のため)。
陸は「違うよ、本当にすごかったのは私じゃなくて……」と言いかけるが、ドクが「いやー陸はすごいな。素晴らしい」と褒めちぎって遮った。
皆がそれぞれ帰宅の途についたあと、陸とドクだけがその場に残る。
「ねえ、ドク。どうして『活躍したのは自分だ』って言わなかったの?」
「そんなことをしたら、天才で英雄の僕の存在が大勢にバレてしまうだろう。せっかくお忍びで来ているのに、意味がないじゃないか。僕は論文を完成させなければいけない。それまでは誰にも邪魔をされたくないんだ」
カッコつけた台詞をはいて、自分も家へ帰っていくドク。
陸はその背中を見送りつつ少しときめいて、
「もしかしたらドクって、本当に天才で英雄なのかも……」
しかしそこで、夕焼け空にドクの情けない悲鳴(帰り道の途中で虫の死骸をうっかり踏んづけたらしい)が響き渡る。
「………やっぱ、そんなことないか」

【第二巻】
プロローグで遂に高校へ入学する陸。しかし、高校にドクの姿はなかった。
「ねー、ドクはどこの高校に入ったの?」
「僕は飛び級で博士号まで取得している。今更高校なんかには入らない」
「えー? なにそれー??」
首を傾げる陸だったが、彼は相変わらず家に引きこもって謎の論文を書き続けるだけ。
「変なのー」と言いつつ、陸はドクの世話を焼き続ける。

それからしばらく(1*~2*くらいまで)平和な沖縄の日常描写をする。
陸が部活に入らないため、ドクに相談を持ち掛ける佳織(ここで初登場)。
照瑠のアイドル活動についてもここで初めて言及する。
引き続きテロが頻発し、世界から日本へも広がっているという伏線を張る。

2*の最終章で、少しだけ波乱が起きる。
学校帰りの陸がドクの家へ遊びに行くと、彼がばったり倒れていたのだ!
原因は熱中症。エアコンが壊れていて室内の気温が上がり過ぎたせいらしい。
早速エアコンを直す、と言い張るドク。
陸は「うそー。自分で直せるの?」と半信半疑ながら、彼を連れてゴーヤー爺の家へ道具を借りに行く。
そこで原作2*5の場面(with陸だけが違う)。
過去のことを訊ねられて動揺するドクだが、陸がいたためその場はなんとかしのぐ。
陸は彼の様子を訝しみ、家へ帰ってからも悩む。
「沖縄に来る前のドクってどんな生活してたんだろう・・・」

学校でもぼんやり考え事をしたままの陸を心配し、夏生は彼女をデートに誘う。
「なあ、今週末に水族館行こうぜ(沖縄だしちゅらうみでいいと思う)」
これには彼女も喜んで、
「いいね!ドクと照瑠と佳織と、あ、海姉も誘ってみよ!」
「え、いや……俺は、二人で……」
口ごもる夏生だが陸におしきられてしまう。(ギャグパートですね。笑)
学校から帰った陸は早速皆を誘うが、ドクは「僕は○○国の○○という超巨大水族館に行ったことがある。こんな田舎のクソみたいな水族館に興味はない」と断り、海姉も「店番があるから」と断った。
結局、陸と夏生と照瑠と佳織で水族館へ行くことに。

3*1では、陸たち四人が楽しく水族館で遊ぶ描写。
3*2は初のドク視点の章になる。
エアコンのおかげで快適な室内を手に入れた彼は順調に論文を書いていたが、昼食をとるため(&海姉に会うため)にみそら商店へ。
海姉にかまってもらいつつ、置かれていたテレビを見ながらご飯を食べる。
そこで事件発生!
突然テレビ番組が切り替わり、水族館がテロリストに占拠された(客を人質に何かを要求してる系)というニュースを報じたのだ!!
「ええっ。今、あそこには陸たちが……」
動揺し心配する海姉が陸の携帯電話に架電するも繋がらない。
不安がる彼女を見かねたドクは「近くまで行って様子を見てきます」と申し出る。

3*3。テロリストに次々捕縛され、携帯電話などを奪われていく客たち。
陸たちも襲われるものの、夏生が男気を発揮し、女子三人を逃がす。
しかしテロリストたちの追走は厳しく、照瑠と佳織は自らを犠牲にして陸を逃がした。
なんとか人気のない廊下まで来た陸のもとへ、現場近くへ到着した(知り合いの大人の車にでも乗せてもらった設定)ドクからの電話がかかってくる。
ドクの推理によれば、この事件は水族館のオーナーの自作自演らしい。
(テロリストたちは全部オーナーの親戚の扮装と演技で、実は病気のイルカを救うために○○が必要だったとか、そんな感じの泣ける事件にしよう)
ドクが外から、陸が中から活躍し、誰も傷つかない形で華麗に事件解決!!

エピローグ。表向きには陸たち4人が事件を解決したことになった。
「やっぱりドク、自分が活躍したことは言わないんだね」
「当たり前だ。そんなことをしたら……」
「天才で英雄の僕がここにいることがバレてしまう、でしょ?」
「……その通りだ」
相変わらずのドクに微笑む陸。
「ねえ、ドク。ドクがここへ来る前にどんな生活をしてたのか、本当に天才で英雄なのか、私は何も知らないけどさ。
 少なくとも今日のドクは、陸にとって英雄だったさー」
「………」
なんかちょっといい感じになって終わる。

【3~X巻まで】
シリーズが好評なら、2巻のノリで色々繋いでいけば良い。
次のX巻は便宜上6月と夏休みに設定しているが、話の都合で11月と冬休みや翌年や翌々年の2月と春休みまで伸ばしてもいい。
そこは書きたいものと人気度の兼ね合いで臨機応変に。
要するにこのシリーズの終わりがX巻~の流れになればいい。

【X巻】
プロローグは6月の商店街。キャンペーンで福引をやってる。
気合を入れて福引をする陸だが全部外れてガッカリ。
一方、「あほらし」とぶつくさ言いながら無理矢理福引をさせられたドクは、なんと特等大当たり!
特等は1組4名様の海外旅行だった(イギリスかアメリカにしよう)。
海外に興味を示さない(むしろ嫌がる)ドクは、その権利を陸にプレゼント。
陸は海姉と父と照瑠(陸の母は店があるため)とともに、夏休みに五泊六日の海外旅行をすることになった!

1*1。夏休みになり、楽しく海外旅行へ出発する陸たち~旅行二日目まで。
1*2。いつも邪魔をする陸たちがいないため、快適に論文を書くドク。
「うんうん。もう少しで完成できそうだ」
ここで初めてドクの過去の回想を一瞬入れる(アメリカ大統領の前で書きかけの論文を発表してなじられるシーン)。
「これを完成させて目にものみせてやるんだ」
1*3。陸たちの旅行三日目。
有名な観光地へ行く四人だが、そこで配られていたパンフレットを見て驚愕。
「ねえねえ、これってドクじゃない?」「ほ、ほんとだ……」
なんと『この観光地の消失を防いだ英雄』としてドクの顔写真が載っていたのだ。
慌てた陸は現地のガイドに「この写真の人を詳しく知りたいんですけど」と訊ねる。
「OH、ドクター・沙藤のことね! それなら、この本を読むといいわ。彼の部下として働いていた人物が書いたものよ」
夜になってホテルへ帰った陸は、早速それを読み始める。
1*4。快調に論文を書いていたドクだが、不意に夢を見る。
「あれ……? でも、この論文、もっと先があったような……?」
ここらへんは原作の描写と同じ。
レコーダーを聞こうとして挫折したり、再び(2巻以来ぶりに)ゴーヤー爺と家の売主について話したりする。
「僕は本当は何者なんだ……」

2*1。天才として絶好調だったころのドク目線で、とある観光地を救ったお話を書く。
良い感じのところで「陸、いい加減にしてお風呂はいんなさい」という海姉の台詞で意識を取り戻す陸(そこまでの文章は彼女が読んでいた本の中身だった)。
今も沖縄で論文を書いているはずのドクのことが気になって仕方なくなる陸。
そんな陸を見た照瑠は、ある作戦を思いつく。
2*2。とても精神不安定なドク(2*1との対比)。
家で論文を書いていても、みそら商店でご飯を食べていても落ち着かず、道端で出くわした照瑠の父に誘われるがまま市内へと繰り出すも、彼とはぐれてしまう。
そこで、通りすがりの老婆(オバァではない)が突然心臓発作を起こす。
ついうっかり天才的な機転をきかせ、さらにはAEDを使って彼女を救ったドク、遂に自分のことを全て思い出してしまう。
同時に、近くに居合わせた米軍将官がドクのことに気づき、彼を捕えた。
2*3。米軍基地に囚われているドクのもとにノーラ登場。思いっきり悪役にしちゃえ。
破壊者について色々なやりとり。
(ここら辺は原作通り。ただしドクが発見されたのが市内かつ自分の身元を証明する物を一つも持っていなかったため、ノーラたちは彼がこれまでどこにいたか正確に知らない・あちこちを転々としていて、たまたま今沖縄に来ていただけだと思っている)。
「なんとかしてください!」とノーラやみんなに言われるが、全然やる気がでないドク。
彼の心は静かな諦めと微かな安らぎに満たされていた。
「もう僕には何もできない。このまま沖縄を発端に世界は滅びるだろう。しかたないことだ。ああ、でもこれで僕は死ねるんだ。よかった。短い間だったけど、ここで過ごした時間は悪くはなかったし、それに……」
囚われの部屋から窓の外を見るドク。
「とりあえず今、陸はここにいない。彼女はしぶとそうだから、きっとこれから何かあっても生き残るだろう。……よかった」
しかし!ここで照瑠の父登場!
彼は今回の件で初めてドクの素性を知って同情し、これまでのことはノーラたちには何も言わず、こっそり接触を図った。
「実は、さっき陸の父から電話があった。彼らは明日の夕方、日本に帰って来るらしい」
「え?! 予定では、明後日のはずじゃ……」
「照瑠が『お腹が痛い、具合が悪い』と言っているらしい。予定を繰り上げて飛行機をとったそうだ」
絶句するドク。
2*4。飛行機に乗る陸たち。
「残念だったねー。せっかくの海外旅行だったのに……」
「ほんと。でも照瑠ちゃんの具合が悪いんだから」
そんな会話をする海姉たちをよそに、照瑠はニヤリと笑って陸に耳打ちする。
「えへへ、照瑠の演技もなかなかでしょ」
「……え? 何言ってんの?」
「照瑠は元気だよ。でも、陸が早く帰りたそうにしてたから、お芝居をしてあげてるの。
 早く帰ってドクに会いたいんでしょ?」
あっけにとられる陸だが、実際その通りだったので照瑠に感謝をする。
飛行機内で本の続きを読む陸。
(さらにカッコいい天才で英雄のドクの描写を挟む)
「これまで信じてあげなくてごめんねって、謝ろうかな」
そんな陸の呟きで〆。

3*1~は、基本的には原作通り。
陸が帰ってくると聞いて、自分を奮い立たせたドクが、へっぽこながらも元天才としてがんばる。
(1巻~X巻までの日常的で少し笑える事件と、今回の世界規模の深刻な事件を対比。さらに2章の本の中で描いた真の天才だった頃のドクとを明確に対比)
なんとか陸が沖縄に降り立つまでに事件を解決するが、疲れ果てて意識不明になり、そのままノーラに拉致られる。

エピローグ。
家に帰った陸は、早速ドクのところへ向かうが、彼の家に明かりはない。
忍び込んでみても人気はない。
不安がる陸。しばらくして照瑠から電話が来る。
「パパから聞いたんだけど、ドクは変な女の人に拉致られちゃったんだって!
 どこへ行ったのか、いつ帰ってくるか分かんないんだって!」
「ええっ……」
呆然とする陸で〆。

【X巻~(1、2冊でいいかな)】
アメリカで囚われの身のドク。
破壊者以外のやばいやつ(多すぎると面倒なので、盗まれた論文は破壊者を含めて3つくらいだったことにしよう)をとめるべく、ノーラに馬車馬のごとく働かされる。
そんなある日、照瑠の父伝いに陸からのメッセージが届く。
「もう一度あの場所へ帰りたい」と痛切に願うドク。
その思いの力で超天才として覚醒し、様々な問題を解決。
(『もう二度と何の問題も起こらない世界』の創造に成功するレベルで)
さらに自分より優れた後継者たりえる人物を発掘、教育、ノーラにプレゼント(その人物は自分が天才で英雄であることを心から喜んでいる)。
わちゃわちゃ色々やりつつ、全て円満に解決!

エピローグ、沖縄の空港に降り立つドク。再び懐かしいボロ家へ。
そこには陸たちも待っていて………。
「おかえり、ドク」「……ただいま」
この先どうなるか分からないけど、僕はまだまだここで暮らしたい。
そんな感じのハッピーエンド。

【その後】
ここで完結にしてもいいし、『かえってきた救世主』なノリで第二章に突入もグッド。
よりほのぼのギャグに特化した番外編や、ノーラとドクの後継者を主人公にした短編とか書いても楽しそう!

【まとめ】
岩井先生が『天才』をお好きなのは、すごいよく分かるんですよ。
消閑もムシウタも今作も東京侵域も読んでますし。
だけども。
『天才と天才たちによる天才的超展開バトル』を書きたいなら、既に『消閑の挑戦者』という立派なシリーズがあるわけで。
それが完結してから数年後ならまだしも、未完で放置中の現在に、同系統のシリーズはいらないと思います。
『天才』を使いたいなら別の方向性で、別の作風にしてほしかった。
……だから↑のような妄想に至りました。
(まあクライマックスの盛り上がりくらいはバトルしてもいっか、と思って原作の描写を活かす方向性にしましたがw)
「目指すのは、未だかつてない面白さ!」って銘打ってるんだし、
思いっきりギャグ&ラヴコメ&ほのぼの人情系にすればよかったのに。

もし本当に、岩井先生が夢水清志郎シリーズ的なのを書いて下さってたら、私は感動で涙死してただろうな。
(大好きなんですよ……清志郎シリーズ。)

ものっそい長くなってしまいましたが、以上で本当に終わります・w・
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