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2012.08.01 (Wed)

12週間連続企画!ムシウタレビュー 【03.夢はばたく翼】

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さっそく更新が遅れちゃいました^^;
でも今日もがんばりますっ。
長文ですがよろしくお願いしまーす!


企画最初の記事(01.のレビュー)と最新記事に載せている【注意事項】をお読みになってからごらん下さい。


それでは追記にて、【ムシウタ03.夢はばたく翼】のレビューを開始します。

【More・・・】

 
書籍データ   ―それは、最高で最悪の逃避行。
 【初版発行日】2004年5月1日 【ページ数】388p
 【主役】杏本詩歌、白樫初季(“からす”)、海老名夕
 【準主役】薬屋大助(“かっこう”)、緒方有夏月(“月姫”)
 【脇役】魅車八重子、猪瀬吾郎、“霞王”、“コノハ”、“トラマル”、“よつめ”、
      “あしたか”、“C”、“兜”、“ねね”、五郎丸柊子、石巻喜久二

      日々野一房、宗方槐路、アイジスパ、“先生”、大喰い

評価  総合:★★★★★
 【内容】ストーリー:★★★★☆ 戦闘描写:★★★★★ 人物描写:★★★★☆
     泣ける度:★★★★☆ 和む度:★★★☆☆  恋してる度:★★☆☆☆
     ヒロイン:★★★★★ 表紙:★★★★☆

レビュー

高校の世界史の先生が言っていました。
「歴史上、長く繁栄していた王国には共通点がある。
 一代目~三代目までの王に素晴らしい人材が揃っていた、ということだ。
 建国者とその後継者だけでなく、
 建国時代を知らない三代目がしっかり為政をしてこそ、
 その国の礎が固まるんだよ」
これは世界史だけでなく、多くのものに言えることだと思います。
もちろんムシウタについても。

鮮烈な01、堅実な02ときて、爆発する03。
ちょうどザ・スニーカー本誌で連載を始めたばかりのbugとも上手く連携し、
読者の心を惹きつけました。
ムシウタシリーズの面白さが一気に花開き、駆けだす巻です。


はじめに時期を確認します。
物語冒頭で夕が「明後日は2月14日」と言っています。
彼女はその日のうちに初季たちと合流し、
センティから託されたディスクを“かっこう”へ届けるため、
ディスクに記録された映像が消える「三日後の夕方」までに桜架市へ向かいます。
そして物語のラスト、ディスクは“かっこう”の視聴中に期限切れを迎えます。
以上から03は、2月12日~15日のお話と言えます。

個人的な視点ですが、私はいつもムシウタ本編を五つの章に分けてみています。
01~03は第一章「出逢いと約束」、04・05は第二章「秘密と糸口」、
06~08は第三章「寄り道」、09・10は第四章「鍵と進展」、11~は第五章「大団円」です。
大助と詩歌が出会う01。その後の大助を描く02、その後の詩歌を描く03。
大助と詩歌の約束。大助と利菜の約束。詩歌と利菜の約束。
この三つはセットで読んでこそ面白いと思います。
01・03をベースに2クール26話でアニメ化して、
 1~12話…01、13・14話…02の間の詩歌の様子や脇キャラのオリジナルストーリー、
 15~26話…03、という感じで作ってくれないかなぁと空想したこともあります。
まぁ、夢物語で終わりましたが^^;


さて、内容に行きましょう。
まず特筆すべきはヒロイン・白樫初季の魅力ですね。
彼女の人気は素晴らしいです。
コアなファンが多く、2007年にB★Sで行った人気投票では戌子と並んで一位を獲得しました。
単独でイラストリクを受けた回数も非常に多いです。
主役を張ってから8年が経過し、最近はほとんど出番もないのに。。凄いことです。
キャラデザインの良さはもちろん、その中身が高く評価されているようですね。

大好きだった故郷と“先生”、その全てを八重子―特環に奪われた過去。
長く孤独のなかで憎しみを糧に耐えてきたせいか、物語当初は少々ひねた性格をしています。
私は100ページ目くらいで既に、
「自由になっちゃったら、アタシには何も残らないよん」という台詞に泣かされました。
それでも彼女には生来のまっすぐな強さがあります。
自分の弱さを認識し、どうしようもない現状を受け止めて傷つきつつも、挫けない。
望みをかなえるべく、持てる力の全てで最善を尽くす。
あくまで飄々と。可愛らしく。元気よく。軽口を叩きながら。
そんな初季は、特に序盤の「ホントは弱っちいくせに、何でも一人でできると思ってる」夕と好対照をなしています。
これが、三人での逃避行を通して癒され、成長してゆき、ラストには最高の復讐での完全勝利。
人気が出るのも当然ですね。
彼女と戦った霞王も人気キャラです。
しかしこちらは、bug3rdで過去が描かれてから人気を伸ばしました。
それまでは「初季と戦った人」っていうイメージが強かったと思います。

他のヒロインについても少しだけ。
冒頭では無駄な生真面目さや弱さが鼻につく夕ですが、崖っぷちの状況を何度も経験し、精神的に成長します。
クライマックス、大喰いとのシーンは印象的ですね。
詩歌は…うん。いつものとおりです。
ヒロインとしてきっちり活躍する一方、特に印象に残らないという。
…や、見どころはたくさんあるんです。夕も初季も精神的に救われる訳だし。
よくもわるくも「空気ヒロイン」の本領発揮というところでしょうか。
(一応フォローしときますが、管理人は詩歌も大好きです。)

以上のように三人のヒロインを輝かせ、大量のキャラを出しても色褪せないところは流石。
初季の万感こもった「“先生ぇ”…」という台詞は最強ですね。
03でも岩井先生の人物描写力は盤石です。

物語の構成も非常に上手いです。
たとえば、
・絶体絶命のピンチを迎えるが、“C”(謎の人物)に救われ、電車に逃げ込む詩歌たち
 →ほぼ同時刻、初季は地下鉄の高圧電線を使ってピンチを切り抜ける
 →その戦闘により電車が停電、電気を媒介にしている“C”は能力を失う
 →“C”との通信が途切れたため、詩歌たちは自力で逃げはじめる
 →二人は待ち合わせ場所へ向かい、初季と合流する
  (あのまま“C”の影響下にいればこの合流は不可能、
   ひいては初季は報われない、三人の友情は生まれない)
…というように練り込まれています。
他にも、「三日間でデータが消えるディスク」という、ハラハラドキドキを生む小道具。
塾の月謝の支払日を間違え、お金を多めに持っていた夕など、細かいところまで気を配られています。
また、一冊だけでストーリーがまとまっているので、
前までの巻(01、02)を読んでいなくても楽しめると思います。
(もちろん読んでいたら二倍楽しいわけですが)

戦闘も面白いです。
詩歌とディスクの奪還を目指し、全力で最強クラスの虫憑きを投入してくる特環に対し、
迎え撃つヒロイン・初季が最弱クラスの虫憑きという構図が話を盛り上げます。
弱いキャラが格上キャラを倒す…。王道ながら、燃える展開ですね。
飛行能力くらいしかない初季が知恵を巡らせて戦う様子は、非常にワクワクします。
序盤での夕の些細な台詞にヒントを得て霞王を倒す、というのも良いですね。
vs“C”でも、一般人の夕が持ち前の頭脳を活かして作戦を立て、勝利しています。
各キャラの能力、“特殊型”“同化型”“分離型”の特徴も存分に引き出されており、
文句なしの五つ星評価を出せます。

初季の過去、クライマックスでの三人の信頼関係など、泣ける度は十分。
全編を通して命がけの旅が続くので、緊張している場面が多いですが、
初季のキャラもあって三人がワイワイやってる様子は和みます。
恋してる度は…あんまりないですね;
初季→“先生”はもちろん、ヴァレンタイン絡みでの詩歌→大助はありますが、
物語の本筋には絡んで来ないです。
…いや、大助の絵が欲しくて脱走するんだから、本筋に絡んでるのかな。
うーん、でもなぁ。あんまりラブラブしてないですよね。このお話。
03はあくまで、女子3人の友情がメインといえるでしょう。

イラストは前述のとおり、初季のデザインがいい!
表紙も、彼女の魅力を存分に引き出していると思います。



長くなりましたが、以上で03のレビューをおわります。
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